ゆったり為替は時折、コインをプレゼントしています。そこで、もらった人がコインの内容を確認できるように記事を掲載します。すなわち、この記事は一般向けでないのですが、ちゃんとした(?)コイン紹介記事です。
なお、記事に出てくるグレードにつきましては、下の記事でご確認ください。
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プロイセン(ドイツ)1グロッシェン銀貨
コインのスペック
- 額面:1グロッシェン
- 年号:1867年
- 材料:銀
- 直径:18mm
- 重量:2.2g
- グレード:EF
1円硬貨の直径は20mmですからこの銀貨はとても小さいですが、重量は1円硬貨の2倍以上あります。
表面の肖像はプロイセン王ヴィルヘルム1世です。当時のドイツはまだ統一されておらず諸邦が乱立していたものの、1866年当時の地図を見るとプロイセン王国(緑色)は圧倒的な領土を有していたことが分かります。
画像引用:Britannica
当時、イギリスやフランスなどは世界各地に植民地を有している一方で、ドイツはいまだに国家統一さえできていない状態で出遅れ感がありました。
その後、1867年に北ドイツ連邦が形成され、1871年に南部の諸邦が合流してドイツ帝国が成立しました。この際、ヴィルヘルム1世は初代ドイツ皇帝として即位し、1888年に亡くなるまでその地位にありました。
なお、ドイツはヴィルヘルム1世の時代に複数の植民地獲得に成功しています。そのうちの一つが、ドイツ領ニューギニアです。
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インド・ボーパールの1ルピー銀貨
コインのスペック
- 額面:1ルピー
- 年号:AH1297年(1881年~1882年)
- 材料:銀
- 直径:22mm
- 重量:11.6g
- グレード:VF
ボーパール(Bhopal)とは、インドにあったボーパール藩王国を指します。18世紀から20世紀にかけて存在した藩王国で、下の地図の通りインドの中ほどの小さな領土です。
画像引用:Britannica
このコイン発行時のインドはイギリスの支配下にあり、ボーパールはイギリス支配下の藩王国として存在しました。写真の1ルピー銀貨の発行年はAH1297年となっており、これはイスラム暦(ヒジュラ暦)を示します。
なお、次の英領インドの1ルピー銀貨と比較しますと、同じ1ルピーなのに輝きが全く異なります。ならば磨いて美しくしよう…というのはNGです。袋から出さず、この色合いを楽しんでください(コインの世界で、この変色をトーンと呼びます)。
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修正したコイン、磨いたコインの価値
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英領インド・1ルピー銀貨
コインのスペック
- 額面:1ルピー
- 年号:1890年
- 材料:銀
- 直径:30.7mm
- 重量:11.6g
- グレード:VF+
こちらも英領インドの銀貨で、ボーパール藩国と違って宗主国イギリスが発行した銀貨です。上の写真は眩しい感じに写っており、現物もピカピカしています。肖像として描かれているのは、大英帝国の君主、ヴィクトリア女王(在位:1837年~1901年)です。
なお、写真では少々分かりづらいものの、現物を見るとグレードがVF+というのは少々厳しいように感じます。ただ、表面右下に傷があり、これがなければEF以上でしょう。
傷があるなら修復したいのが人情ですが、修復はNGです。価値を落とさないためにも、そのまま保管してください。
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その他保管に関する注意事項
コインは金属ですので大した注意事項はありません。ビニル袋から出さず(すなわち直接触らず)、日光に当てずに保管してください。