投資

損切りの考え方

隔月刊誌『外国為替』に記事を掲載させていただいてから、多くのアクセスをいただいています。ありがとうございます。

FXで資産を増やす場合、損切りの扱いが極めて重要です。損切りを間違えると、1回のトレードで自己資金の多くを失う場合もあります。では、アンティークコインを投資として見る場合、損切りをどのように考えるべきでしょうか。

長期トレードの損切り【FXの場合】

アンティークコインについて考える前に、FXの長期トレードの損切りについて考察します。アンティークコインは長期保有が王道ですから、それに合わせてFXも長期にします。

ゆったり為替は、長期トレードを主戦場にしています。すなわち、月足チャートがメインで週足も使います。この場合、特定のトレードは損切りしません。そして、損切りするトレードもあります。トレードの内容次第です。

以下、損切りしないトレード例を紹介します。

下のチャートは、豪ドル円の30年チャートです。30年にもわたってレンジを形成していることが分かります。そして、過去の円高記録付近に赤線を引きました。この辺りで買って放置しておけば、巨額の利食いを得られることが分かります。

豪ドル円の長期チャート

画像引用:FXプライムbyGMO

例えば、60円で買って90円で売れば、利幅は3,000pipsです。月足トレードは1,000pips単位の利食いが珍しくなく、一般的なトレードとは雰囲気が異なります。

損切り不要

では、60円で買う場合、損切りレートをどこに置きましょうか。ゆったり為替の場合、損切りしません。いつまでも持ち続けます。そして、スワップポイントをもらいます。

「円高になり続けたらどうするの?」という感じかもしれません。しかし、円高になり続けることはないと考えています。

例えば、55円、50円…と円高になったとしましょう。この場合、豪ドル円だけでなく、米ドル円も円高になることでしょう。米ドル円は70円、65円…。すると、日本経済は円高に耐えられず、巨大なダメージを被るはず。結果、日本の国力は大幅に削がれ、円安に反転します。

また、日本は極端な少子高齢化で、国力の衰退を隠せないレベルになっています。以上から、最終的には円安になるから損切り不要、という考えが成立します。

ただし、これは思考の範囲を出ませんので、想定が外れても全く問題ないように投入額を調整します。

アンティークコインの場合

次に、アンティークコインの場合を検討します。先に結論を書きますと、「アンティークコインの長期保有では、損切りしない」が基本となります。

まず、どのアンティークコインを買っても良いというわけではありません。希少性が高くて人気があるコインを買います。買ったら、ずっと保有し続けます。そして、含み益が大きくなったら利食いします。含み損になったらどうする?ですが、その場合も保有を続けます。

保有し続けて、十分な含み益になったら売却します。

損切り不要でOKな理由

繰り返しになりますが、投資対象となるコインは「世界的に人気があって、価格は長年下落せず、むしろ上昇し続けているもの」です。この種のコインは、他のコインに比べて価格が下落しづらいと分かります。そして、このコインを損切りせずに持ち続けます。

アンティークコインと同じ実物資産という視点で、不動産とも比較してみましょう。

不動産の場合

例えば、日本の不動産価格は、第二次世界大戦後にひたすら上昇を続けました(僻地除く)。その上昇っぷりはすさまじく、土地神話という単語も当然のように使われていました。

しかし、バブル崩壊後の下落は、誰もが知る通りです。首都圏などは2010年代に復活しましたが、地方は厳しいです。また、今後数十年で日本の人口は激減しますから、首都圏もどうなるやら。

アンティークコインも同様になるかも?と不安を感じても、それは自然です。

アンティークコインの場合

アンティークコイン価格も相場である以上、価格下落はないと言い切るのは無理があります。しかし、様相はやや異なります。

時が経過するににつれて、貴重なコインは紛失や火事等で枚数が減っていきます。すなわち、希少性は徐々に増していきます。そして、コインを欲しがる人は世界中におり、世界の人口は増え続けています。

すなわち、人気の貴重なコインは現存枚数が年々減る一方で、欲しがる人は増えていきます。この場合、何らかのショックで価格が落ちるとしても、長期保有していれば復活すると考えるのが自然です。

よって、自己資金のうち、長期間放置しても構わない範囲内で、貴重なコインを買います。損切りはしません。

コインが欲しい理由

なお、なぜコインが欲しいのか?という動機については、様々です。コレクション、投資、インフレ対策、そして資産保全。資産保全は、いざという時に重要な項目です。

ウクライナ・ロシア紛争の発生時には、欧州のコイン業者の在庫が一気になくなったそうです。購入者は、紙幣よりも金貨・銀貨が良いと判断したわけです。金貨や銀貨は、それ自体が価値を持っていて、持ち運び可能です。危機発生時に特に威力を発揮します。

インフレ対策については、下の記事で考察しています。貴金属はインフレに強いです。

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のんびり待つ

以上の通り、価値あるアンティークコインは、価格下落への耐性があります。また、仮に期待外れの値動きをしても、長期的に見れば復活すると期待できます。このため、のんびりと待ちましょう。気づいたら資産が増えている、そんな感じがちょうどいいです。

最後に、最も重要な項目を一つ。「価値あるアンティークコインはどれか?そして、適正価格はいくら?」です。新規にアンティークコインの世界に入った人にとって、これが難関。高値で売りつける業者にとっては、とても良い環境です。

よって、「どの業者から情報をもらい、買うか」が、超重要です。特に、玄人になる前の段階では。

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