概要・雑学

株式会社ダルマ社長インタビュー

2022年6月25日

株式会社ダルマの公式ホームページを見ると、コインがたくさん並んでいます。では、経営者はどんな人でしょう?公式ホームページでは、その姿が見えてきません。そこで、株式会社ダルマの社長(大谷雄司様)にインタビューさせていただきました。

(インタビュー実施日:2020年2月18日 この記事は、旧サイトからの転載です。)

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本日は、お忙しいところありがとうございます。大谷社長は、アンティークコインにおいて、世界で最も著名な人物の一人です。そこで、現在に至るまでの経緯について、お聞かせください。

公式サイトを見ますと、社長名に「高馬 大三」とありますが…。

大谷雄司社長

大谷社長

(写真引用:幻冬舎 Gold Online

高馬(こうま)と2人で、二人制代表取締役をしています。私は70代ですし、次の時代に備えていて、高馬にも代表取締役として活躍してもらっています。

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アンティークコインに関わったきっかけは何でしょう?

大谷雄司社長

お小遣いでアンティークコインを買ったのが、最初です。小学5年生の頃…もっと前だったかもしれません。当時、文房具屋でアンティークコインを売っていました。

また、骨董屋に行けば、豆板銀などがカゴに山積みになっていたり、小袋に入れられていたり。当時は銀価格がとても安く、小学生でも買えた時代でした。

【一分銀】

一分銀

【豆板銀】

豆板銀

これが、アンティークコイン収集のきっかけです。当時は、日本の古銭を集めていました。

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当時は、それくらい安かったんですね。

大谷雄司社長

その後、20歳になってアメリカ旅行をしたとき、衝撃的な出来事に遭遇しました。カジノに入ってスロットマシンを回してみたところ、何とジャックポット!機械に入っていた銀貨が全部一気に出てきて、それだけでは足りないのでスタッフが小切手を切ってくれました。

当時のカジノは、銀貨(モルガンダラー、ピースダラー)を使っていました。1ドル銀貨が一気にあふれるさまは、まさに衝撃です。

【1ドル銀貨】モルガンダラー

モルガンダラー

ここから、シルバーダラーのコレクターになりました。あの衝撃を体験したのですから。年号別、ミント別(造幣所別)に集めていきました。発行年数も造幣所も多いですから、集めるには根気が要ります。コレクションとしてピッタリです。そこから、次第に欧州コインにも関心が広がっていきました。

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大谷社長が会社を創業されたころ(1970年代)の様子は、どんな感じだったでしょうか。

大谷雄司社長

当時、日本でコイン収集熱が高まっていました。しかし、アンティークコイン商はあまり多くなく、日本では需要と供給に大きな差があってバブルの状況でした。

そして、アメリカの業者は、日本での相場高騰を把握していませんでした。そこで、アメリカ等で1円銀貨を買って、それを日本に送って売るだけで良い利益を得られました。

【旧1円銀貨】

1円銀貨

また、アンティークコイン専門誌で『ボナンザ』というものがありました。収集家はその誌上オークションで売買したり、デパート内のコインコーナーで買ったりするのが一般的でした。

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今までアンティークコインに接してきて、最もお気に入りの1枚は何でしょうか。

大谷雄司社長

1枚だけを挙げるのは難しいですが、イタリアのルネッサンス期のコインが好きです。特に、ミラノを中心としたコインです。下は、1テストン銀貨です。

ミラノ・テストン銀貨

  • 発行地:ミラノ(イタリア)
  • 額面:テストン
  • 材料:銀
  • 左の人物:ジャン・ガレアッツォ・マリーア・スフォルツァ
  • 右の人物:ルドヴィーゴ・スフォルツァ(通称:イル・モーロ)

大変美しい仕上がりです。なお、中世のコインに肖像が描かれることは珍しく、十字架などの文様と文字を配列することが一般的でした。下は、カロリング朝(フランス、8世紀~10世紀)の銀貨です。

【カロリング朝 デニエ銀貨】

カロリング朝・ドゥニエ銀貨

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次に、現在のアンティークコイン市場の様子について、お話を聞かせてください。本場は欧州ですが、欧州と日本の違いは何でしょう?

大谷雄司社長

日本と欧州では、コインの歴史が大きく異なります。日本の場合、穴銭の時代が長く続きました。和同開珎を始めとする皇朝十二銭が約275年間発行され、その後、中国から銅銭を輸入することで貨幣を賄ってきました。

金貨が本格的に登場したのは、豊臣徳川時代になってからです。

【和同開称】

和同開珎

また、西洋式の近代銭が登場したのは、明治に入ってからです。コイン製造のための機械を、香港から輸入しました。東南アジアでは、日本より早く近代貨の製造や流通が始まりました。これらの地域は、英仏の植民地だったからです。

日本のコインは、デザインの多様性に乏しいです。よって、特に近代銭は、年号別に収集するという方法になります。この点で、欧州に比べて魅力がやや劣ります。

一方、欧州のコインは、歴史も種類も様々です。紀元前500年くらいには既に、金貨がありました。また、数多くの国が栄えては滅んでいきました。国王の姿をコインに表現するなど、デザインが多様です。

コイン収集という点で見ると、年号別、国別、デザイン別、素材別など、様々な切り口で収集できます。

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大谷社長といえば、外国のコイン発行にも直接的に携わっていらっしゃいます。具体的に、どんなことをされてきましたか?

大谷雄司社長

代表的なものとしては、パラオの銀貨をデザインしました。パラオは、太平洋に浮かぶ島国です。自国の発展のために、外貨を獲得しなければなりません。

その方法の一つとして、金貨や銀貨などを発行しました。テーマは海洋保護記念です。下の写真の何枚かは、私がデザインしました。世界最初のカラーコインです。

(注:2020年2月時点で、下のカラーコイン一式をダルマで購入できました。この一部が、大谷社長デザインです。)

【パラオ 1ドル白銅貨カラーコイン】

パラオ1ドル

パラオの位置は、下の地図の印部分です。

パラオ

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ありがとうございます。最後に、これからアンティークコイン収集を始めようという読者の皆様に向けて、一つ助言をお願いします。

大谷雄司社長

「コインを買う前に、本を買って勉強してほしい」です。アンティークコインは、安い買い物ではありません。そこで、自分が買いたいコインを選ぶには、数多くのコインを見ることと、どのようなコインが発行されているのかを知ることが重要です。

私が株式会社ダルマを設立したとき、資本金は1,000万円でした。このうち、書籍購入費に700万円を投入しました。アンティークコインを売買する商売ではありますが、コインの前に書籍で勉強すべきだと考えたためです。

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インタビューに時間を割いていただき、ありがとうございます。

インタビューを終えて:

多くの人は、コインのデザインや輝きを見て、あるいは価格上昇を期待してアンティークコインの世界に入ります。

このため、コイン購入の前に本をというのは、正直なところ大変だ…と感じました。しかし、Friedberg(金貨のカタログ)を持っていれば、金貨それぞれの歴史的な位置付けが分かります。大切なお金を出して買うコインですから、そのコインの位置づけを知っておきたいです。

最後に、お知らせです。

これからアンティークコインの世界に入ってみたいけれど、どのコインを買えば良いのか分からないという皆様、大谷社長と一緒に、コインを選んでみませんか?全くの初心者でも、歓迎です。

たくさん並んだ金貨や銀貨を目の前にしながら、大谷社長からコインについての話を聞きつつ、お好みのコインを選んでみましょう。安価なコインから高価なものまで、ダルマ公式サイトに掲載されていないコインも数多くあります。

そこで、その中から比較的自由に選べるよう、300万円~500万円程度以上の予算のみなさまのご応募をお待ちしています。申し込みは、株式会社ダルマ直通(03-3447-5567、日祝日除く10時~17時)までお願いします。

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