1901年~ ドイツ

ワイマール共和国の3マルク銀貨(ツェッペリン号世界一周記念)

戦間期…その時代には飛行機が既に開発されていて、大西洋無着陸横断も成功していました。しかし、大人数を乗せて世界をくまなく飛び回ろうと思うと、飛行船が優位な時代でした。

そのような時代の1929年、ドイツの飛行船ツェッペリン号が世界一周を成功させました。今回は、それを記念して発行された銀貨を紹介します。

飛行船ツェッペリン号の世界一周

この銀貨の画像とスペック等は、以下の通りです。

ツェッペリン号

ツェッペリン号

画像引用:Six Bid

  • 発行国:ドイツ国(ワイマール共和国)
  • 発行年:1930年
  • 直径:30mm
  • 重量:15g
  • 材料:銀

ツェッペリン号の航路や動画

では、ツェッペリン号はどのような航路で世界一周したのでしょうか。下の地図を見ますと北極が中心に置かれており、北半球をぐるっと回った様子が分かります。

ツェッペリン号の航路

引用:ウィキペディア

スタート地点はアメリカのレイクハースト、そこから東回りでドイツ・日本・ロサンゼルスと立ち寄り、再びレイクハーストに戻る航路です。

実際には、ドイツで作ってアメリカに移動してからスタートしましたから、飛行距離は公式記録よりもずっと長距離です。ドイツで作ったドイツの飛行船なのに、発着地はなぜアメリカなの?という感じです。その理由は、このイベントのスポンサーがアメリカの企業だったからでしょう。

気になるのが、世界一周に要した日数です。現代の旅客機だと、この航路で要する時間は2日間~3日間くらいかな…と思います。しかし、ツェッペリン号は寄港地での休息を含めて20日以上かけて世界一周しており、のんびり旅だった様子が分かります。お客さんにとっては、することがないし周囲の風景はいつまでたっても同じだし、退屈だったかもしれません。

なお、日本に立ち寄ったならば動画もあるのでは?というわけで確認しますと、Youtubeに投稿されていました。

引用:TBSスパークル

ドイツ国の国章

コインのもう一面を確認しましょう。鷲(ワシ)が書かれており、これはドイツ国の国章です。比較のために、下にドイツの国章を2つ並べてみました。左がドイツ国(1919~1933)の国章で右が1950年以降…そっくりなデザインです。

現在のデザインの方が圧倒的に描きやすそうですし視認性も良さそうで、それを意図したかどうかは不明ですが、とても分かりやすいです。

ドイツの国章

引用元:ウィキペディア

記念銀貨の発行枚数等

最後に、この銀貨の発行枚数等を確認しましょう。発行年は1930年のみで、100万枚が通常貨として発行されました。すなわち、私たちが日常的に使っている100円玉や500円玉と同じ扱いですので、やり取りに不便がないように多数が発行されました。これだけ発行枚数が多いと、アンティークコインの世界でこのコインを時々見かけますし、入手しやすい部類になります。

なお、このコインは残存枚数は多いものの、通常貨ですから日常的に使われて摩耗したはずです。それでも、良好な状態のコインが比較的容易に見つかりますので、コレクションしやすいです。

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